静動

3月10日(木)理数科進級予定者SSH研修旅行が実施されました。

今年度はコロナ禍の影響で、県内日帰りという日程にはなりましたが、秋田大学附属鉱業博物館、秋田県立博物館、株式会社秋田今野商店の三か所を訪問し、来年度の研究意欲を高める実りの多い機会を持つことができました。

 

<秋田大学附属鉱業博物館>

鉱業博物館では、国内から集められた貴重な鉱物や石油などの資源に触れ、鉱業の歴史やエネルギー開発、秋田の鉱山の歴史などを学び、視野を広げることができました。

所蔵されている学術的価値の高い多くの資源について、説明ではじめて知ることも多く、鉱物に関心を持ち、鉱業への理解を深める貴重な機会となりました。

生徒の感想より一部を以下に抜粋します。

・同じ名前なのに結晶の色が違ったり色が違ったりして興味深かった。ブラックライトで光る石はラピュタの石だと聞いて面白いなと思った。どれもがみな純粋な物質ではないんだなと学んだ。

・一番印象に残ったのは、2階で隕石や地球の地形の展示や映像を見たことです。1階の一等重力点もびっくりしました。お話を聞いて、この一等重力点は秋田でこの博物館しか無くて、建築などに役立っていると聞いてとても重要なんだなと思いました。鉱石、宝石がとてもきれいでした。

 

<秋田県立博物館>

県立博物館の企画展示の外来生物展では、実物標本や詳しい解説から外来生物の影響や事情について理解を深めました。本校所蔵の3つの標本(シラコバトとコウライキジの剥製、ニホンザルの骨格)も展示されており、さまざまな生物標本や記録物に触れ、生態系の成り立ちや秋田の自然について学ぶことができました。

生徒感想より一部を以下に抜粋します。

・デスモスチルスの骨格を見て学芸員の方が「この構造でこの立ち方はできないはず」とおっしゃっていて、骨格から歩き方なども考察できることに興味を持った。

・コウモリの翼の中の骨は指の骨が進化したものという説明で、人の手を広げた時に指の付け根どうしの間のところの皮膚が広がった部分がコウモリの翼にあたる部位なのかと思い、生物に共通した体のつくりがあることが実感できた。

・外来生物でも天然記念物になることもあるし県によっては駆除対象になったり保護対象になったりしているなどのことがおもしろかった。

・ヒアリが思ったより小さくて驚きました。外来生物の中でも色々な種類があることを初めて知ることが出来ました。

 

<株式会社 秋田今野商店>

秋田今野商店は、創業112年になる「種麹屋」さんです。種麹のほか、酵母、乳酸菌など1万株を研究・製造・販売しています。代表取締役の今野 宏 社長から麹や乳酸菌などの有用微生物の発見・培養・研究・商品開発について講義をいただきました。

日本では発酵食品が欠かせないこと、微生物は醸造・食品だけでなく農薬など多方面に活用できることなどを学びました。バイオインキュベーションセンターや研究室の見学では、専門的な設備や培養中の菌体を見せていただきました。

生徒の感想より一部を以下に抜粋します。

・細菌の特徴を生かし、色々な面で役立っているとわかった。私たちは今野商店さんのおかげで生活出来ているのだとわかった。細菌によって性質が違うので、それを生かした商品など外国との取引までしている重要な会社が秋田県にあるということに驚いた。技術があれば生きていると言う言葉が印象的。

・田舎の小さな地域で日本のトップシェアを誇る企業があるのがすごいなと思った。本社研究室は以前一度見学をしにいったことがあるが、そのときよりも菌についての説明を理解できたと思う。チーズなど食べ物に菌が使われているイメージが強かったが、農薬や殺虫剤など様々な活用法があるのが驚きだった。

・他の菌を確実に入れさせないための工夫された設備や、一言で”菌”といっても見た目の違いや、意外なものに使われていた菌の話を聞いて驚いた。

 

全体を通じた生徒の感想としては以下のようなものが挙げられました。

○今日の旅行では自分が持っていた概念を大きく越えてくるような内容が多数あった。今日学んだことはこれからの学習や課題研究に結びつけられればいいなと思う。今回あらゆる所で学んだ知識はレベルの高い話であったから、教養として自分の中に置いておきたいと思う。こんなご時世であるのにこのような研修旅行を開催していただきありがとうございました。

○知識を持っていないと、鉱業博物館にあったような鉱石や化石もどんな価値のあるものかが分からないという話から、いろんなことを学んで見識を広げて、いろんなことを学ぶことで広い視野でものごとを見られるように努めたいと思いました。そのために、普段からの授業などで学べることをしっかり身につけておきたいです。

○私は生物や科学の分野に元々興味があり、その興味が更に深まったと思う。百聞は一見に如かずというように、やはり、目で確認することで、今まで知らなかった部分まで、視野が広がった。貴重な体験ができた。

 

今回訪問させていただき、貴重な体験の機会を頂戴した秋田大学附属鉱業博物館、秋田県立博物館、株式会社秋田今野商店の皆様、どうもありがとうございます。今回の学びをもとに、来年度の課題研究に意欲的に取り組んでいきましょう。

pagetop