文芸部



 

 
 
第12回全国高校生短歌大会 大会報告
 
平成29年8月18~20日の3日間、石川啄木ゆかりの地である、岩手県盛岡市で行われた短歌甲子園に、部員3名で出場しました。
 
【1日目】開会式後、短歌甲子園のOB・OGの方々の案内で、石川啄木ゆかりの地を訊ねる「題詠ツアー」へ参加しました。
最初に訪れた石川啄木記念館には、啄木の遺品や手紙など、彼の生涯が分かる資料が詰まっていて、たいへん興味深い場所でした。記念館に隣接する古い建物は、啄木が教員時代に教えていた小学校です。青森県にある、太宰治の生家「斜陽館」を思わせるような外見でしたが、内部には斜陽館にあるような洋風の部屋はなく、ほこりっぽくて少しかび臭いところでした。まるで「まっくろくろすけ」が出てきそうな雰囲気で、床も抜け落ちてしまいそうでした。職員室として使われていた部屋には啄木の机もあり、時代を感じました。その後、移動して豊かな自然を楽しみました。この後短歌で戦う相手ということもひとまずおいて、選手皆が皆入り交じって遊具で遊ぶ光景が見られました。
ツアーの後半は盛岡城址へ移動しました。「お城」ということで、山の上をイメージしていましたが、実際は市街地の中に突然に現れたという感覚でした。お寺の中は装飾が施され、とても綺麗でした。照明も、LEDのように青白いものではなく、あたたかい色だったのがまた良かったと思います。
昨年までは、ツアー中に題詠を行うというルールがあったので、時間的にも精神的にも厳しいものがありましたが、今年は事前に歌は提出してあったので、ツアーを心ゆくまで楽しむことができました。
 
【2日目】2日目は朝から会場の盛岡劇場で、団体戦予選リーグと個人戦予選を行いました。団体戦一次リーグの一戦目は、「青」という題で弘前学院聖愛高等学校(青森県)と対戦しました。結果は、1対2で弘前学院聖愛高等学校が勝利。二戦目では、「宙」という題で高崎商科大学附属高等学校(群馬県)と対戦しました。結果は2対1で横手高校が勝利しました。
 
先鋒 平山友里夏
尋ねられ
視線が泳ぐ弟の
宙(そら)で答える7×8=54(しちはごじゅうし)
 
中堅 相澤鈴
木の枝に
麦わら帽子引っかかり
私の心もまだ宙ぶらりん
 
大将 後藤杏奈
宙を漂う
香煙が鼻掠め
喉の奥静かに爪たてる
 
 
弘前学院聖愛高等学校が二勝したため、横手高校はリーグ内では敗退となりましたが、その後の敗者復活戦で勝利し、決勝トーナメントに進出することができました。
2日目の競技終了後は会場を移し、交流会が開かれました。「わんこそば甲子園」では、私たちは33杯、食べきることができました。高校生で一番多く食べたのは54杯でしたが、飛び入り参加の審査員チームがなんと57杯という記録を打ち出し、優勝をさらわれてしまうという結末でした。この交流会では他校の選手やOB・OGの方々と交流することができ、楽しく有意義な時間を過ごせました。
 
【3日目】団体戦決勝トーナメントの一戦目では、岩手県の久慈東高等学校と対戦しました。題は「挑」。敗者復活戦で詠んだ短歌での勝負でしたが、結果は1対2で久慈東高等学校が勝利しました。
 
 
先鋒 平山友里夏
決意した
声の行方を君に出す
夏の課題にしたい七月
 
中堅 相澤鈴
かなわない
太陽に挑む向日葵と
誰かに向かって笑顔咲かす君
 
大将 後藤杏奈
口角を上げて
挑発する君の
唇さわる癖は変わらず
一方、個人戦の題詠では、慣れない環境の中一時間で二首詠むので苦労しましたが、相澤鈴さんが「声」、平山友里夏さんが「立」の題でそれぞれ決勝進出し、公開審査のステージに立ちました。結果上位入賞はかないませんでしたが、二人とも健闘しました。
 
題:「声」  相澤鈴
放課後の校庭を包む蝉の声
負けずに言おう
あなたが好きと
 
題:「立」  平山友里夏
夕立が
聞こえなくしてくれるから
好きって言おう加速する夏
 
今大会では、三人とも初めての出場だったためかなり緊張しましたが、「とにかく楽しもう」という気持ちで臨みました。
多くの高校生たちが作った短歌から、様々なことを学びました。対戦で両者の短歌がどちらも同じくらい良い短歌だった場合、審査員からの質問に対してどれだけ納得させられる説明ができるかが勝敗を左右すると感じました。質問に的確に答えつつ、自分のアピールしたいところも織り交ぜて、短すぎず長すぎず、伝わりやすさを意識するとなお良いと思います。また、自分が思ったことをそのまま詠んだものよりも、工夫やひねりのあるものの方が高評価になる傾向があるとも思いました。3日間の貴重な体験を今後の創作活動に生かし、実りのあるものにしていきたいと思います。